今回の質問は「1歳、2歳向けの家でも出来る遊びは?(おもちゃ遊びとかではなくて、保育園でやるような遊びが家で応用できたりするものがあれば)」です。これについて、どんなものがあるだろうかとあさり保育園の保育士と話をしました。そこで出た結論は「ちょっと発想を変えて考えたいね」ということでした。
どういうことかを説明していきます。
保育園で子どもたちにどんな遊びを用意するか考えるとき、まずは子どもが何に強く興味を持っているかを見ることから始めます。クレヨンなどを使うことに興味があるのが分かれば、クレヨンと塗り絵の用紙を用意したり、みんなでじゃれ合って遊ぶことに興味があるのが分かれば、そのための場所をきちんと確保するようにしたり。今子どもが何に関心を持っているかを知ることは、今どんな発達段階にあるかを知ることでもあります。自分の手を思い通りに動かせるようになる檀家では塗り絵も楽しくなってきて、たくさん塗り絵をすることで更に手先が器用になっていきますし、他者に対する関心が強くなる段階では関わり遊びが楽しくなってきて、関わり合って遊ぶことで他者と目的を共有することを学んでいくことになります。そのように、子どもはできるようになってきたこと(今の発達段階にあるもの)に強い興味を持ちます。そのことに取り組むことによって、発達は更に促されていきます。興味を持っている遊びと発達課題は密接につながっていることを考えると、まずは興味の対象を知ることは大切なことです。
多くの1,2歳児が興味を持っていることの代表といえば「ままごと」、つまり家庭で行われていることを真似する遊びです。例えば料理の真似が大好きだったり、写真にもあるように、壊れた掃除機をただ引いて遊ぶだけのものが人気だったり、電気のスイッチを触ったりすることを夢中になってやっていたりするのは、家庭で見ていることに強い興味を示している証拠でもあります。家庭でも大人と同じことをやりたがって困ってしまったことはあるはずです。それだけ身近な大人が行っている行動は子どもたちにとって魅力的なんでしょう。そしてそれをすることで、手先の器用さを身につけたり、物の仕組みを学んだり、様々な役割を学んだりと、様々な力をつけていくはずです。
そう考えると、家庭で行われていることを十分に見せてあげ、できることのほんの一部でもいいから一緒にやってみたり、真似されて壊されてしまわないように代替品を作ってあげたり、そんなことを家庭で体験させてあげる機会をできるだけたくさん設けてみてはどうでしょうか。子どもにとって生活は遊びでもあり、そこに明確なラインはありません。生活こそ豊かな遊びと考えると、ちょっとした工夫によっておもしろい遊び、子どもが熱中する遊びが見つかると思いますよ。