今回の質問は「子どもを保育園に預けるのに適した年齢ってあるの?」です。この質問をされることは時々あり、そのとき決まって思い出すことがあります。それは今でも少なくない話なんですが、0〜2歳頃から保育園に預けることに対して「そんな小さい頃から預けられてかわいそう」と周りから言われてしまい、自分のやっていることは間違っているんだろうかと悩んでしまっている、というものです。同じようなことを言われた経験のある人も、もしかするといるかもしれませんね。
保育園に子どもを預けることは悪いこと?保育園は子どもにとってよくない施設?そんなことありませんよね。子どもたちにとって保育園は大事な場なんです。ではどう大事なのかを書いていきたいと思います。
保育園の役割は子どもの発達を保障することです。その目的は大きく2つあって、1つは人格形成のため、もう1つは社会の一員としての力をつけることです。社会の一員としての力とは、違いを認め合うとか、協力し合うとか、自分の得意なことで他者に貢献するとかで、社会の中で生きていくために欠かすことのできない力です。そしてこの力は関わりの中で学んでいくものです。母親や父親だけでなく、おじいちゃん、おばあちゃん、近所のおじさんやおばさん、そして様々な年齢の子どもといった多様な他者との関わりの中で学んでいきます。
こうした関わりは、子どもが多かった昔は家庭や地域の中でもある程度は自然と経験できていました。でも今は少子時代です。家庭や地域で自然に子ども集団を経験することができなくなっています。だからこそ大きな子ども集団を持っている保育園等で他者と関わる経験をたくさんすることが大事になってきているんです。
当たり前のことですが、生まれたときは母親との関係が関わりの大部分を占めます。それが大きくなっていくにつれて、母親だけでなく多様な他者と関わる割合が増えていくのが自然なあり方です。その関わりを保障する場でもある保育園に預けることは、決してかわいそうなことではありません。むしろ必要なことだと私は考えています。
質問に戻ります。あえてその時期を示すとしたら、例えば子どもが他の子どもをジーッと見ることが多くなった時期とかでしょうか。
○他の子の行動をジーッと見る
○見たことを真似しようとする
○一緒に活動しようとする
そんな姿がよく見られるようになれば、子どもがいろんな関わりを求めているサインです。そのサインが見え始めたら、少しずつ子ども集団の中で活動できるようにしてあげる時期になったと考えてみるのはどうでしょうか?
(ちなみに上に挙げた3つの姿は赤ちゃんの頃でも見られる姿です。ということは、子ども集団に入るのに早すぎるなんてことはない、とも言えますね。ただ、小さいうちはできるだけ短い時間からスタートした方がいいとは思いますが。)