名前:Naomi Borrelli(ボレリ直美)
居住地:Burbank
経歴:
栃木県出身。高校を出た後、田舎のジャズダンスの先生に『ダンスを続けるのなら東京へ行きなさい』と勧められ、卒業後東京で仕事をしながらダンスの道に進む。ロサンゼルスでダンスの奨学金を取得出来たのをきっかけに渡米。ノースハリウッドのダンス学校を卒業後、メジャーを変更して、カレッジでグラフィックアートを学び、卒業と同時に、当時付き合っていた今の旦那さんと結婚。結婚後、旦那さんと一緒に映画製作会社を立ち上げ、映画を製作。子供が出来たのを機に幼児教育に興味を持ち、カレッジに行き直して幼児教育を学び、去年バーバンクに日本語保育園あおぞらを開設。
南カリフォルニア暦:19年
お子さんの年齢と性別:8歳双子(男女)
Q:出産はどこでされましたか?(アメリカ/日本?)自然分娩/無痛分娩/帝王切開?何か出産時の面白いエピソードがあれば教えて下さい。
バーバンクの病院です。帝王切開です。私の担当の産婦人科の先生が出産1月前にいきなり、『あ、そうそう、僕は今月いっぱいで引退するから、次回の検診から新しい先生になるからね。これからゴルフ三昧だよ〜はっはっは。。。(笑)』私的には双子で初めての出産なので、9ヶ月診てきた先生に取り上げてもらえると思って(信じて)9ヶ月通ったのに。と言う思いでした。アメリカらしいな〜と思いましたが、まあ、手にも震えが出ているおじいちゃん先生でしたから、返って良かったのかもしれませんが。結局新しい先生も自分の都合でいきなり帝王切開を『1週間早めてもいい?』とか、予定帝王切開に、当日1時間以上遅刻して来たり。初めての出産!人生最大のイベント!と思っていたのは私だけだったのかなあ。と思いました。ある種人生最後の私の自由になる時間は贅沢に日本で産めばよかったなあ。なんて思ったりもします。
Q:出産後何が一番変わりましたか?
それまで子供を見ても何も感じなかったのですが、もうどの子を見ても可愛くて可愛くて。不思議ですね。子供と地球と未来について、考えるようになりました。教育環境、社会問題、自然環境。純粋無垢な子供達がこれからどう育っていくのかは大人の私達にかかっています。だから私達が真剣に、これからの長いジェネレーションの時間を見越して考えなくてはいけないと考える様になりました。
Q:育児ポリシーは何ですか?
自分の力で生きていける力を育てる。常にクリエイティブで柔軟な思考を持てる様に。私はもちろん完璧ではないので、私の出来ることを出来る限りで伝えています。それで無理な時は正直に向き合って子供と立って話し合います。(躾など)難しい時も、この子に関しては諦めない。“命懸け“と思い子供に向き合っています。
Q:お子さん達はデイケア/プリスクールに通われていますか?(何歳からですか?日系ですか?現地校ですか?)
自分の自由時間欲しさに、2歳で日系の幼稚園に無理やり入れて(と言っても週に2.5時間だけですが)、3歳で現地のプリスクールにも入れました。今思うとちょっと急ぎ過ぎた気がします。でも、当時の私は双子の育児に追われて必死でした。その、一週間にたったの2.5時間が私の自由時間でした。でもその2.5時間も入り口で泣く子をなだめて、納得させてから帰ると2時間に減り、実際には2時間弱!(その経験から私の保育園では3時間子供達を預かります。せめて3時間くらいないとお母さんも大変なんじゃないかと思いまして)
Q:仕事をしていて良かったというエピソードは?逆に、仕事をしていて大変だったというエピソードは?
子供が小学校に上がるまでは、専業主婦でした。仕事をしている方はもちろん大変だと思いますが、仕事をしていると言うことで、旦那様やデイケアと言うプロのサポートも多く取り入れられますよね? 周りの話を聞いても、専業主婦の方がある種逃げ場がなく、精神的には余計大変な気がします。(一番大変なのはパートタイムの方だと聞いたことがありますが)今は私も仕事をしていて、仕事に熱中するとつい、もっと仕事の時間を増やしたくなってしまいますが、そこはぐっと我慢して、子供と家族の為の時間は削り過ぎない様にしています。そして、仕事が大変な時は、夫や子供に正直に話して協力を要請しています。そうする事で、ママも頑張っているから応援しよう、と家族に団結感が生まれていますし、『頑張るママ』と尊敬もしてもらえているみたいです。
Q:時間管理は大きなテーマかと思いますが、何か実践されていることはありますか?
仕事を入れすぎない様に気をつけています。私よりも子供に、小学校3年生までに子供自身の時間管理が出来る様に育てたいと思っています。そうすれば私の時間管理も楽になりますでしょ?
Q:旦那さんとの子育て分担はどのようにされていますか?
夫は仕事が忙しく、不定期なので、ほとんど私が子育ては担当ですが、パパは怒ると恐い存在として、私が子供を叱る元気がないときはバトンタッチで、ビシッと喝を入れてもらっています。
Q:アメリカでの育児で大変だったエピソードは?その困難をどのように乗り越えましたか?
子供がまだ幼稚園の頃、私が入院した事があります。その時夫は海外出張が入っていて、私も夫もアメリカには親戚もいないので、子供をどうするか?と、どうしようもなく途方にくれてしまった時、あるママ友さんが他のママ友さん達に連絡をとり、シフト表まで組んで、1週間近く子供達を預かってくれました。彼女達がいなければ正直、私はどうしていいか分かりませんでした。今でもお礼を言っても言い切れないくらい素晴らしい方達です。
Q:バイリンガル/トライリンガルになるように特別にしていることはありますか?
子供達が6ヶ月の時から毎週1回、自宅で日本人のプレイデートを続けています。夫はイタリア人なので、イタリア語も後々は学んで欲しいのですが、とりあえずは英語とはかけ離れている日本語をきっちり習得して欲しいと思っています。この子たちの母国語は日本語ですので、まずは母国語をしっかり教えるのが私の仕事だと思っています。
Q:お子さんと一緒に行くオススメ地元スポットを二つ教えて下さい。
●バーバンクのStough Canyon Nature Center
地元の小さなネイチャーセンターなのですが、幼児向けのハイキングや、お誕生会プログラムがあったり、満月ハイクもあり、幼児と一緒に満月の下夜道をハイキングするのは大人の私でもドキドキする体験でした。
●グリフィス天文台のプラネタリウム
小さい頃からよく通いました。1日の一番最初のプラネタリウムのショウは5歳以下でも入場可能なので、それを見に行ったり、プラネタリウム無しでも、お弁当を持って、ハイキングや景色の良いカフェがあるので、そこでお茶をしに(カフェは入場無料なので、私はコーヒー、子供はお弁当!)だけ行ったりもしました。
Q:好きな子供ブランドはどこですか?
服のブランドは全くこだわっていませんが、パジャマと下着、日本の方が断然質が良いので毎回日本に帰った時に買って帰ってきています。幼児器具で買ってよかった、買えばよかった物は、ニューネイティブのスリング、エルゴベイビー、ストッケのトリップトラップチェアーなどでしょうか。やはり足がつく椅子のほうが子どもが食べやすいんですよね。スリングは4〜5種類、手作りもしました。育児サポートグッズについて語ったらキリがないくらいです!
Q:趣味は何ですか?
子供と工作したり実験したりすること。
Q:今後の夢は何ですか?
子供達と飲みに行くこと。(夢が小さいですね)
【インタビューを終えて】
以前日本の保育園の園長先生から「子どもが一人で生きていけるようにするのが子育て。子どもが保育園を卒業するまでに一人でも生きていけるようにするのが目標」と聞いたのが衝撃的だったと話してくれた彼女。子どもが高校を卒業して家を出る時に、大事なのは勉強できるかどうかではなくて<生きていく力>だと思うという言葉に思わず納得してまいました。又「トイザラスに行っても欲しいおもちゃがない」という話にも驚きました。「売られてるおもちゃは既に出来上がったもので、見た瞬間は楽しい!って思うけど、その気持ちが続くおもちゃって少ない」と語り、インタビューの日に子ども達が遊んでいたのも手作りの粘土。秋らしいようにということでシナモンが入っていました。「子ども達の発想の豊かさには毎日驚かされるんです」と目をキラキラさせて話す直美さん。子ども達が想像を働かして遊べるようにという観点で考えることの大切さを感じ勉強させて頂きました。インタビューにご協力本当に有り難うございました!