【小さなヒント008】両立ではなく調和・バランスを

「両立」という言葉はいろんなところで使われていますが、これってとても難しいことではないかと思っています。「あちらを立てればこちらが立たず。こちらを立てればあちらが立たず。」という言葉がありますが、果たして「あちらもこちらも立つ(=両立)」というケースが世の中にどれだけあるでしょうか。そんなものはほとんどなく、「あちらを立てればこちらが立たず」のケースがほとんどだということを、私たちは経験を通して知っていますよね。


例えば仕事と子育てのことを考えてみると、仕事がたくさんあって忙しいときに子どもが熱を出したらどうするか。やらないといけないことが残っているときに、子どもが本を読んでとねだってきたらどうするか。こんなときに両立なんて恐らく無理だと思います。

残念ながら、どんな時でも1日は24時間しかありません。これはどんな立場にあっても、どんな人でも平等です。こんなときこそ両立させようと考えるのではなく、調和とかバランスとか、そういう考え方にならなければいけないんじゃないでしょうか。

何でもかんでも欲しがるとか、すべてをパーフェクトにしようとか、すべてを欲しがってもどこかで無理がきてしまいます。そうではなく、限られた24時間をどう使うか、どう子育てと仕事のバランスをとるかが大事なのではないでしょうか。その時々に子育てと仕事をてんびんにかけて、どちらをどのくらい選択するか。その優先順位のつけ方のセンスを磨きたいと私はいつも思っています。

子育ては決して楽なことではありません。でもその時期はあっという間に過ぎてしまい、二度と戻っては来ません。だからこそ「今」を大切にすべきだと思います。その「今」を、周りの同じような立場の人と一緒に楽しむことができるといいですよね。そのためにも「両立」にこだわりすぎるのではなく、「調和」とか「バランス」の方に切り替えてみることをお勧めします。