【小さなヒント001】子どもが魔の二歳児「terrible two」に突入。どう接すればいいの?

初めまして!島根県江津市で保育園を運営しているMegumiといいます。「見守る保育」メソッドを学びながら、そのメソッドを保育現場で展開し続けていくことに力を注いでいる毎日です。

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このサイトで「子育ての小さなヒント」を書かせてもらうことになったんですが、書かせてもらうのはあくまでも「ヒント」です。保育園で見ている子どもの姿から感じていることであったり、「見守る保育」メソッドで学んでいることであったり、そういったことから「こんな風に考えてみるのはどうですか?」といくつかの考え方を投げかけてみることにします。読んでもらい、ちょっと立ち止まって子育てを振り返ってみる、そんなきっかけになればと思っています。

 

今回は「魔の2歳児と言われる時期にどう子どもに接すればいいの?」という質問をいただきました。アメリカでは「terrible two」と表現されることからも分かるように、どうやらこの2歳児の大変さは多くの国で共通の悩みのようです。2、3歳の頃は自己主張が強くなり「自分でする!」「これは自分のもの!」が盛んになる時期で、対応に苦労した経験のある方は多いんじゃないでしょうか。こんな子どもに向き合うとき、制止すればいいのか、それとも全て受け入れたらいいのか、迷ってしまいますよね。

この姿は決しておかしなことではなく、ごくごく自然な子どもの成長です。0歳、1歳の頃に自分の気持ちややりたいことを十分に受容された経験があるからこそ、その後に「自分で!」という意思が生まれてくるわけです。意思が生まれ表明できることはとても大事で、意思がはっきりと現れてきた(たとえそれが極端であっても)ことを「おお、立派に成長してきたなあ」と喜ぶくらいの受け止め方が、まずは大事だと思います。悩むだけでなく、順調に子育てが進んでいると自分を褒めてあげてほしいくらいです

そして対応として、制止するか、それとも全て受け入れるのかですが、ぜひ我慢することを伝えてほしいところです。我慢といっても何もさせない「おあずけ」のような形ではなく、友達との遊びを楽しく続けるためとか、親や友達を悲しませないためとか、集団の中の自分を意識した我慢を少しずつ覚えていけるように働きかけてもらいたいです。

子どもにとって集団はとても大事で、私たちの保育園でも特に丁寧に考えているところです。子どもには親の存在が重要なのは間違いありませんが、同時に多くの刺激を受けることのできる子ども集団の存在も重要です。自分と同じような発達段階の子どもとの関わりだけでなく、少し上であったり下であったりと、多様な関係性の中で様々な刺激を受けながら力をつけ、成長していくのが子どもです。2歳児の自己主張の強さを、子ども集団からの刺激や学びを強く求めているメッセージと捉えてみてもいいかもしれません。

2歳児の行動を親だけで受け止めるのは大変ですよね。無理をして親だけで抱え込むと、つい大人の価値観を強く押し付けてしまった、なんてことにもなりかねません。そのことでわがままを言わなくなったとしても、それは発達のねじれです。必ず後から違う形で現れてきます。私たちが考えるべきことは、今の姿を整えることではなく、子どもが社会に出たときの姿であるはずです。大人にとって都合のいい子に…という考えになっていないか点検することも、時々は必要なんでしょうね。

LALAMAMAをきっかけにして多くの親が情報を共有し、さらにはつながりを築くことができれば、それは子育てをしていく上でとても心強い存在になるはずです。親の安心感はちゃんと子どもに伝わります。そして子どもの成長につながっていきます。そんな風に考えると、子育ては確かに大変だけど、なんだかワクワクしてきませんか?

「時には立ち止まって、ゆっくりゆっくり」

「時には立ち止まって、ゆっくりゆっくり」