『ポジティブ教育』ってご存知ですか?海外だけでなく、日本国内でも注目されつつあるこの教育メソッド。日本で先駆者として活躍するキバックスインターナショナルの木場代表にお話を伺いました。
キバックスインターナショナル (Kivax International) は、2014年10月に福岡に開校した「新しいスタイルの子供英会話教室」。英会話のレッスンに加えて、『ポジティブ教育』を日本の英語教室として初めて取り入れ、将来グローバル社会で通用する子供たちを育成しています。
Q:『ポジティブ教育』って何ですか?
ポジティブ教育は、ポジティブ心理学を教育に応用したプログラムで、従来の成績重視の教育から、子供一人一人が持っている強みにフォーカスを当て、幸せで豊かな心を養い、何事もあきらめないたくましい子供を育てることを目的としたものです。その中で、私が特に力を入れているのが「レジリエンス(折れない心・逆境力)」という心理的能力を伸ばすことです。例えば、子供が失敗からすぐに立ち直り、苦手なことや難しいことに対して「ママ無理!」と言わず、前を向いてどんどんチャレンジしていく強い心です。このポジティブ教育は、オーストラリアやイギリスでは国をあげて導入スクールのサポートを行われているなど、今、世界が注目する教育メソッドです。
Q:開校して半年経ちますが、ポジティブ教育が生徒さんに与えている影響は具体的にどんなことがありますか?
子供たちがとにかく明るいです。はしゃぐ明るさではなく、毎日が充実している表情の明るさです。それは子供たちが『ポジティブ教育』を理解し始め、普段から実践できるようになってきたからだと思います。保護者からは「娘が学校で発表するようになった。」「目標を見つけ始めたみたい。」「自分の気持ちをしっかり表せるようになってきた。」など、嬉しい声をたくさん頂くようになりました。だから、キバックスが開校して誰ひとりとして教室をやめていないんです。これは『ポジティブ教育』の賜物です。
Q:ポジティブ教育をどのように家庭レベルで取り入れることができますか?
もちろんできます。お手本としての親は役割はとても効果的です。何かあってもポジティブにやり抜くお父さんや、いつも笑顔のお母さんの姿は「自分もできる!大丈夫!」という子供の自信(自己効力感)をつけさせます。たくさんある方法の中でお勧めしたいのが、ポジティブ・ストロークです。ポジティブ・ストロークとは、相手の存在を認めるポジティブな行為です。例えば、子供に笑顔で「おはよう!」と朝食を迎える。学校から帰ってきたときに、ハグしながら「おかえり」と微笑む。このポジティブな言葉や態度で、子供の"心の銀行”にお金をチャリンチャリンと貯めていくことができます。子供ももちろんそうですが、私たち大人も弱点や短所にいつも目を向ける人に会いたいとは思いませんよね?「どんなことがあっても私たちはあなたの味方」という"安全基地”になることが、親の使命ではないかと思っています。
Q:日本から見たアメリカと日本の教育の違いって何だと思いますか?
いろんなものが違うと思います。教育のシステムもそうですし、先生と生徒の関係性にしてもそうです。大切なことは、どこに住んでいようが、子供の強みを最大限に生かした教育ができるかどうかだと思います。アメリカで子育てができる最大のメリットは、異文化の中でいろいろなことを経験できることです。これは日本ではなかなか難しいことです。そして、これだけのコンピューターの技術革新が進めば、将来は今存在する仕事の半分はなくなるでしょう。だからこそ、一昔前の答えを与えて覚えさせるような"教育ママ”的なやり方ではなく、子供の強みを引き出し、それをしっかりと信じ、見守る『コーチング力』こそが今求められている力です。
Q:今の生徒さんたちの10年後、20年後に願う姿、 彼らにぜひとも養ってほしいメンタリティ・スキルは何ですか?
世界を舞台に、高い目標に果敢に挑戦する大人になって欲しいと思っています。それは勉強でもいい、漫画でもいい、スポーツでもいいんです。自分が勝手に決めた小さい枠にとらわれず、どんどん外へ出て行って、自分の力を試して欲しい。もちろん失敗も経験して欲しい。そして、そこで現れる逆境をいかに楽しめるか。さらに、この経験を次世代のキバックスの子供たちに継承していってくれれば、私は何も言うことはありません。夢を持つことの大切さと、夢を叶えるために必要な強さを身に付けた子どもたちの10年後、20年後が今から楽しみです!